ほっけ 一夜干し


居酒屋メニューの定番のほっけですが、鮮度が落ちるのが早く、スーパーなどで見かけるほっけは一夜干しなどの冷凍干物で売られていることが多いです。 ほっけには「真ほっけ」と「縞ほっけ」があります。縞ほっけは名前の通り、黄色と黒の太い縞模様があります

目次

北海道は、ほっけの水揚げ量日本一

農林水産省の発表によると、ほっけの漁獲量の一位は北海道でした。シェア率は99%と国産ほっけは、ほぼ北海道産と言っても過言ではないでしょう。 また、世界を見ると、アメリカ、ロシアに次いで三位という結果でした。 しかしながら、魚の自給率は50%程度になっており、国産が足りず、輸入に頼っている背景があります

ほっけの旬

続いて、ほっけの旬の時期についてです。 ほっけは一夜干しなどの干物にし、冷凍することで一年中流通していますが、特に夏場はたくさんの餌を食べ、晩秋では産卵に備え、丸々として脂ののりがピークになるため、旬のなかでも産卵前の秋が最もおいしい時期と言われています。 また、栄養価を見てみると、魚の中でもほっけの一夜干しは高たんぱく低脂質になっており、生活習慣病や日々の健康を意識した食事にはオススメです

干物の歴史について

日本の食卓をにぎわせてくれるほっけ一夜干しを始めとする干物ですが、保存の技術や輸送の手段が発達する前は干物が重宝されていたことが想像できます。 その歴史を遡ってみると、始まりは奈良時代とされています。献上物の一つとして、干物が納められていたそうです。また平安時代、鎌倉時代と伝承され、江戸時代になると幕府への献上物として、各地の大名が干物づくりに励み始めます。

干物づくりはそれぞれの藩の産業振興としても奨励され、現在の名産としても多く残されています。このような歴史をたどり、昭和になると一夜干しの製法が生み出され、ほっけの一夜干しも出回り始めました。ほっけ一夜干しのように、和食には様々な歴史があり、日本文化の大切さを考えさせられます

ほっけ一夜干しの作り方

ほっけ一夜干しの作り方についてです。開き方は背開き、腹開きもありますが、ここでは腹開きの手順についてご紹介します

1.エラに指を入れ、引っ張り出して取り除きます。
2.お腹に包丁を入れ、中骨の上側に沿ってを皮だけを切り、内臓を取り出します。
3.頭を半分に切ります。
4.頭が半分に割れたら、中骨に沿って丁寧に開いていきます。
5.血合いが残ると生臭くなる原因になるので、流水で綺麗に洗い流します。
6.最後にお腹のところにある腹ヒレを包丁で切り落としたら腹開きの完成です

塩漬けの仕方

次にほっけの開きが出来たら、塩漬けです。干物作りにおいて塩による味付けは重要な工程です。海水の塩分濃度は3%程度ですが、同じ濃度かそれ以上の塩水に付けたり、直接魚の表・裏にふり塩をして数時間漬け込みます。 その後網にあげて一晩干したらほっけ一夜干しの完成です。塩分濃度や漬け込み時間によってほっけ一夜干しの味わいや風味が決まります

ほっけの一夜干しの焼き方

ほっけの一夜干しの焼き方についてです。

七輪

環境や器具を整えないといけないので、ハードルが高い焼き方にはなりますが、七輪と炭火が生み出す、強烈な赤外線がほっけ一夜干しの表面をいち早く硬化させ、風味を閉じ込めて中心部にまで火を通します。 焼くときは身の方から強火でしっかり焼きましょう。目安として、白くなってきたら、裏返しにし、皮を上にして焼きます

グリル

グリルは庫内温度を上げておき、焼き網も熱しておくとこびりつき防止になります。 また、強火にしてしまうと焦げてしまうので、弱火から中火にします。 また、焼き目をつけたい時はハケなどで酒を塗っておくと焦げずに程よく焼けます その他、大量調理にはスチームコンベクションやオーブンを使用してじっくり焼き上げることも可能です。ほっけ一夜干しは塩焼きと比べてパサつきが少なく、身も柔らかく、旨味が濃縮し居酒屋メニューから高齢の方まで幅広い方にお召し上がり頂けます

干物の干し方の製法について

ほっけは一夜干し、天日干しなどがありますが、魚によってそれぞれの特徴を活かした干し方があります。そこで、干し方の製法についてご紹介したいと思います

一夜干し

日光に当てず、夕方から明け方にかけて一晩温度が低い状態で干します。生魚に近いやわらかい食感に仕上がります。ほっけ一夜干しによく使われる製法です

天日干し

天日干しされることで、魚肉のたんぱく質やミネラル分が結びつき、旨み成分のグルタミン酸や、アミノ酸が多く生成されて旨味や風味豊かな干物になります

素干し

風にさらし続けることで、長い日数をかけて水分を飛ばしていくような感覚です。塩や調味料を一切加えずに、シンプルに干すという昔ながらの製法で、スルメなど固めの製品に適しています

灰干し

紙にくるんだ食材の周りに火山灰を敷き詰め、水分を吸収させることで乾燥させたもの。他の干物よりも比較的長い時間をかけて均一に魚の水分を飛ばすため、食材本来の成分変化を少なく抑えることが可能となっています。鮮度が落ちず、魚の色味がほとんど変わりにくいのが特徴です

寒風干し

塩を擦り込んだ食材を、潮風に当てて干す方法で、独特の旨味とコクが特徴です

丸干し

内蔵を取り除かず、そのまま干したものです。内蔵に含まれる栄養素をきちんと摂取することが出来ます

このように、製法にこだわると、ほっけ一夜干しや干物の奥深さが分かります

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