北海道 水産水揚げ


北海道といえば、日本の面積の1/5を占める雄大な大地。本州から切り離され海に囲まれたその大きな島は、沢山の海の幸に恵まれています。今回はそんな北海道水産水揚げについて調べていきます。

目次

北海道の主な水産物

北海道水産水揚げされる生産数量は日本全土の1/4、金額は1/5を占め、北海道が日本最大の水産物供給基地である事を表しています。その中で北海道の水産水揚げされる主な水産物は、鮭、スケトウ鱈、ホッケ、帆立貝、昆布。これらは全国水揚げの大部分を占めています。北海道で水産水揚げされる漁獲量ベスト10をご紹介

北海道で水揚げされる水産品 ベスト10

第10位 真鱈(マダラ)
第9位 玉筋魚(イカナゴ)
第8位 片口鰯(カタクチイワシ)
第7位 鯣烏賊(スルメイカ)
第6位 昆布
第5位 𩸽(ホッケ)
第4位 秋刀魚(サンマ)
第3位 鮭(サケ)
第2位 介党鱈(スケトウダラ)
第1位 帆立貝(ホタテガイ)

順位より漢字の読み方が気になってしまうところですが、この後は北海道水産水揚げの主要水産物の特徴をそれぞれ見ていきます

ホタテ貝

北海道水産水揚げ漁獲量第1位のホタテ貝は、沿岸漁業を支える重要な魚種。その数量は20万トンを超え、全国の90%以上を占めています。ホタテ貝は主に「貝けた網漁業」と「養殖業」に2種で行われています。どちらも天然の稚貝を採取し育てることから始まります。「貝けた網漁業 」は海底を畑のように区画した漁場に1年間育てた稚貝を放流。自然の中で育てたホタテ貝をけた網で漁獲します。「養殖業」では海面を区画し、そこに養殖施設を設け稚貝に穴をあけてテグスを通し、それをロープに吊るして成長させ漁獲します。ホタテ貝にはタンパク質、脂質、カルシウム、ビタミン、糖質、鉄分、リンなどの沢山の栄養成分が含まれています。また、グリシンやグルタミン酸などの旨味成分が多く、タウリンやグリコーゲンといった健康成分も含むのが特徴です。調理方法は刺身、フライ、ソテーなど様々なジャンルで活かされます

タラ

北海道水産水揚げ第2位と第10位にはタラの仲間が入っています。漢字では「鱈」と書き、身が雪のように白いことからそう呼ばれるようになったともいわれています。旬は冬。北海道水産水揚げされるタラの漁獲量は全国でも常に上位に位置します。タラの魅力はなんと言ってもその利便性。鍋の具やハンペンなどで多く活用される身はもちろんの事、白子や卵巣(タラコ)も私たちにとても馴染みのある食材です。タラは低脂質の白身魚で、タンパク質を多く含むヘルシー食材です。ビタミン類ではビタミンB12やDを含みます。ビタミンB12は赤血球中のヘモグロビンの生成を助け、ビタミンDはカルシウムやリンの吸収を助ける働きします。その為近年タラは健康維持食材としても注目されています。タラは深海魚で水圧に耐える為にトリメチルアミンオキシドという成分を含みます。これが独特の魚臭さの原因となるので、調理のポイントとしては鮮度の良いうちに調理すること。多少時間の経ってしまったものでも振り塩をして10~20分置いて出てきた水分を拭き取ったり、霜降り(湯通し)する事で臭みを軽減できます

サケ

北海道水産水揚げ第3位はシロザケ。サケ科の魚で、日本でサケと呼ばれているのはこのシロザケを表します。シロザケ以外にも紅鮭、銀鮭、秋鮭、トラウトサーモンなどは一般的に出回るサケです。旬は9月から11月にかけての秋。定置網漁業の解禁とともに旬を迎えます。国内で漁獲水揚げされるもののうち、北海道水産水揚げされるものが8割。日本全体の1割程度がサケの漁獲量日本一の北海道根室管内標津町で水揚げされています。サケの身質は赤身であるため赤身魚と思われがちですが、実は白身魚。甲殻類のプランクトンをエサにするので、そのエサに含まれるアスタキサンチンという赤い色素が蓄積され赤い身質になります。アスタキサンチンという色素は抗酸化作用がとても強く、健康面で注目を集めています。調理の際の注意点は寄生虫の存在です。天然物には寄生虫のアニサキスがついていることがあるので、生は要注意です。マイナス20度以下で24時間以上冷凍するか、70度以上でしっかり加熱する事で死滅させる事が出来ます

さんま

北海道水産水揚げ第4位はサンマ。言わずと知れた秋の味覚ですね。サンマを漢字で書くと「秋刀魚」。秋に獲れる刀のような形をした魚というのが漢字名の由来といわれ、旬は秋で9月から10月が美味しいサンマのピークです。ですが、近年獲れる時期は早まりつつあり、今では8月中旬頃にも見かけることがあります。サンマは回遊魚であるため時期が遅いと脂が落ちていってしまいます。その為早い時期のサンマほど脂の乗りが良く美味しいとされています。北海道の東で最初の水揚げが始まり、徐々に南下してきます。10月中旬頃まで三陸沖で水揚げされ、11月中旬には伊豆半島までいきます。サンマの3大漁港は根室沖、三陸沖、銚子沖といわれています。サンマの北海道水産水揚げ漁獲量は全国でダントツの1位。4割以上のサンマが北海道水産水揚げによるものです。サンマは何と言っても栄養の宝庫。必須アミノ酸を含んだ良質なタンパク質をはじめ、ビタミンA.B2.D.E。他にも鉄分やカルシウム、DHAも多く含んでいます。サンマの特徴でもある内臓(ハラワタ)は何故食べられるのでしょう。よくよく考えると他の魚の内臓は食する機会がないですね。その理由は、サンマに胃がないからだと言われています。胃がないことでサンマの食したもので食中毒を起こす危険性が少ないのですね。その内臓にビタミンAやB12、鉄分などが多く含まれています。サンマを調理するのに1番ポピュラーなのはやはり塩焼きでしょう。調理のポイントはしっかりと振り塩をすること。10~20分程経つと余分な水分が出て、身がしまり臭みを抜くことが出来ます。注意点は時間を置きすぎないこと。置き過ぎると旨味も抜けてしまいます

最後に

サンマの不漁問題を始め、漁業が抱える問題は多くあります。それに加え現代社会では食の多様化が進み、若年層を中心に「魚離れ」が進んでいます。こういった現状は日本最大漁業である北海道水産水揚げにも影響を与え、私たちの食生活にも大きく関わってきます。海の幸に恵まれたこの国の漁業を守る為に私たちにできること。まずは食生活にもう1品魚料理を加えることから始められると私は思います。海の幸は人の幸に繋がると信じて

水産仕入れ ウオス
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