北海道の釧路・根室地方で漁獲される「花咲蟹」(ハナサキガニ)。名前を聞いたことはありますか?他の種類の毛蟹やタラバ蟹・ズワイ蟹などと比べるとあまり有名な蟹ではないのですが、味がとっても濃厚な絶品の蟹なのです。 他の蟹とは違ったその味わいに、病みつきになる人も少なくありません。本記事では、花咲蟹の生態から気になるお味・食べ方などをご紹介いたします!
目次
花咲蟹とは
花咲蟹は「蟹」と呼んではいますが、ヤドカリの仲間なので厳密に言うと蟹ではありません。同じく「蟹」と呼びながらヤドカリの仲間である「タラバ蟹」と同じ「タラバ蟹科」の生き物です。体が大きく足も太い花咲蟹は、体全体をトゲが覆っており甲羅が逆ハート型をしています。
ハナサキという名前の由来には、特有のトゲトゲが花が咲いたように見えるからという説と、「花咲町」という根室の地名に由来するという説があります。華やかで美しい名前の通りに、茹でるとどの蟹よりも赤く色づきます。
蟹と言われて思い浮かぶ種類は、毛蟹・ズワイ蟹・タラバ蟹・ワタリ蟹などでしょうか。花咲蟹はなかなか知名度が上がらず、まだ一般的ではありません。美味しい蟹だからこそ、ブレイクすると今よりももっと手に入りにくくなってしまうことが予想されます、知名度が低い今が食べるチャンスかもしれません。
花咲蟹の美味しい季節
年末年始の親戚や家族が多く集まるときに食べるイメージがある蟹。一般的に「冬が旬」というイメージが強いのですが、花咲蟹の旬は春から夏にかけて。北海道の釧路では3月から7月、根室では7月から9月が漁獲期とされています。毛蟹のメスを獲って食べることを禁止されているのと同じ様に、花咲蟹もメスはキャッチアンドリリース対象です。
また、決まった大きさ以下の蟹も獲ることが禁止されています。花咲蟹の漁獲量はさほど多くなく、希少な蟹なので資源の保護が大切なのです。 根室では毎年花咲蟹を食べる「蟹祭り」が開催されており、多くのお客さんでにぎわっています。
肝心の味は、ほかの蟹とどう違う?
太平洋の海域の厳しい寒さの中で生き抜いた蟹の身は、筋肉質でぷりっぷりなのに柔らかい口当たり。花咲蟹とタラバ蟹は同じザリ蟹の仲間ではありますが味は花咲蟹の方が濃厚です。ズワイ蟹に比べても、みずみずしくて甘みが強いのが特徴です。 昆布を主食としているからか、花咲蟹は旨味がたっぷり詰まっています。鍋や汁物に入れても大満足の味です。
また、蟹味噌好きの方にも花咲蟹はおすすめです。同類のタラバ蟹の蟹味噌は一般的に「美味しくない」と言われていて、蟹味噌を食べずに捨ててしまうのですが、花咲蟹の蟹味噌は毛蟹と同じくらい濃厚だと言われている珍味なのです。
ただ、注意してほしい点が一つ。名前の由来でも取り上げた「トゲトゲ」がクセモノで、雑に扱うと人間の肌がキズついてしまいます。花咲蟹を食べる際には軍手とよく切れるキッチンバサミを用意してから、きちんと身を取り出して食べましょう。せっかくの美味しい蟹にありつく前に怪我をしてしまわないようにしてくださいね。
花咲蟹の見分け方
トゲトゲが特徴の花咲蟹ですが、見分け方が分かず単体で見てしまうとタラバ蟹と混同してしまうこともあります。花咲蟹だと思って購入した蟹が、実はタラバ蟹だった!となってしまったらがっかりですよね。
まず、サイズは圧倒的にタラバ蟹の方が大きく、タラバ蟹は25㎝を超えるのがほとんどなのに対して花咲蟹は15㎝を超える程度です。
甲羅は、タラバ蟹が三角形に近い形なのに対して花咲蟹はお尻の方がくぼんでいる逆ハート型。体の大きさと甲羅の形で見分けてみてください。
もし、実際に目にして買う機会に恵まれ、どちらの種類かわからなくなってしまった場合は店員さんに聞いてみるのが一番安心です。
美味しい食べ方
蟹の味自体がしっかりしている花咲蟹は、どう食べても美味しいです。茹でても良し、蒸しても良し。炭火で焼き上げ、香ばしい香りを身に移した塩焼きも是非試していただきたい調理法です。生の花咲蟹を入手できる機会があれば、是非お刺身も味わってみてください。柔らかくてジューシーな身にとりこになってしまいます。
花咲蟹は良い出汁が出るので、「鉄砲汁」もおすすめします。鉄砲汁は、大根やニンジン、ネギと一緒にぶつ切りにした花咲蟹の足を汁物にしたお料理です。蟹の出汁が野菜に染みこみ何とも言えない美味しさ。せっかく入手ができたなら、茹でてそのまま食べるほ蟹も料理にして楽しんでいただきたいです。
花咲蟹を買うならインターネットがおすすめ!
漁期が限定されていて短く、流通量だけではなく漁獲量も少ない花咲蟹は、なかなか入手困難な食材です。どうしても花咲蟹が食べたい!という方は、北海道の蟹通販を行っているウオスで探してみると良いでしょう。
他の蟹と違って獲れる時期が短いので 美味であるゆえ、スーパーやデパートでも目にすることが少ない花咲蟹はインターネット通販を行うウオスでの購入をお勧めします。