知名度はやや低めですが、根強いファンがいる「花咲ガニ」。メジャーなカニの種類と言うと、ズワイガニや毛ガニ・タラバガニが有名ですが、花咲ガニも他のカニに負けていない美味しさがあります。 美味しいと好評を得ている花咲ガニ。
しかし、漁獲量が少ないことから目にしたことが無い人も大勢いらっしゃるかと思います。ひょんなことから花咲ガニを購入できる幸運に恵まれたときに迷わず花咲ガニを購入できるよう、今回は「花咲ガニ」と似ている「タラバガニ」との違いをご紹介いたします!明らかに見た目は違うのですが、見分け方が分からないとタラバガニとの違いがわからなくなってしまうこともあるので注意してくださいね
目次
花咲ガニとは
まず、花咲ガニについてご説明します。花咲ガニは北海道の釧路から根室の漁港で漁獲される寒い海域に住む生き物です。
「ハナサキ」という名前の由来には2説あり、体表を覆う特有のトゲが花が咲いたように見えるからという説と「花咲」という根室の町の地名に由来しているという説があります。
旬の時期の違い
カニのシーズンと言えば、いつを想像しますか?よくカニを食べるシーンと言えば、年末年始の親戚家族がそろう場が多いことから、旬=冬と感じている方が多いかと思います。
タラバガニはというと、ロシアやカナダから輸入されているものも多く北海道産のものの方が希少なのですが、輸入物も道産物も春から夏にかけてが漁期です。日本での漁場はオホーツク海や日本の最北端の稚内が有名です。 花咲ガニも、旬も春から夏にかけて。ただ、日本の太平洋沖でしか水揚げはされておらず釧路で3月~7月、根室では7月~9月が漁期です。
形の違い
次は、花咲ガニとタラバガニの見た目の違いをご説明します。 「カニ」と呼ばれながら同じくヤドカリの仲間である両種。2種類を並べてみると、明らかに違いは歴然なのですが、いざ「どちらが花咲ガニでしょうか?」と問われると混乱してしまう場合も。花咲ガニだと思い込んで、よくよく調べてみるとタラバだった!という失敗が無いよう、しっかり見極め方を理解しましょう。 花咲ガニは手を傷つけられるほどの鋭いトゲが特徴なのですが、タラバガニにも痛そうなトゲがあります。 大きさで言うと、花咲ガニは甲羅が15センチを超える程度なのに対してタラバの方が格段に大きく、タラバガニの甲羅は25センチ以上もあります。 徹底的な差は、甲羅の形。花咲ガニは逆ハート型の形をしているのですが、タラバガニは三角形に近い形をしています。 また、茹でるとその差は一目瞭然。花咲ガニの方がずっと赤く色づくのが特徴です。
味の違い
肝心の味はと言うと、タラバガニの身は筋肉がしっかりしていてぎっちり詰まっているのに対し、花咲ガニはジューシーで濃厚な甘みが特徴。旨味も花咲ガニの方が断然多いです。カニの甘さや濃厚さを味わいたいのなら花咲ガニ、量を食べたいのならタラバガニの方があっさりとしていて食べやすいでしょう。また、花咲ガニの方が油分も多いので、胃が弱い人やお年を召した方にはタラバガニの方が好まれます。 購入する際に選ぶポイントとして一番注意してほしいのが、カニ味噌が食べたいかどうか。カニ味噌が好きな人にはタラバガニはNGです。タラバの味噌は量が少ない上に美味しくないのです。カニミソまでしっかり楽しみたいときには、タラバではなく花咲ガニをお勧めします。
売り方と価格の違い
タラバガニはサイズが大きく、1尾売りをしている様子はなかなか見られません。カニ味噌が少なく美味しくないので胴体を含めて販売する意味がそれほどないからか、大体、太い足だけを束ねて冷凍してある商品を販売していることが多いです。丸々1尾を購入する機会は市場くらいでしか無いのではないでしょうか。1尾買うとすると、1.5キロが小さい方でざらに2キロを超えてきます。 花咲ガニはカニ味噌も美味しく召し上がれ、サイズも500グラムくらいのサイズから流通していることから、ほとんどが1尾売りです。 サイズやランクで値段が細かく変わってくるので一概には言えませんが、足だけで売っているタラバガニを選ぶと食べる部分の重さに対する値段は安くなります。
結局どちらを買ったらいいのか
ざっと、二種類の違いを説明させていただきました!カニそのものの味を楽しみたいという時には、花咲ガニが良いでしょう。カニ鍋やカニを使ったお料理にも花咲ガニを使うと、カニの旨味がしっかり出ます。 ボリュームを重視するのであれば、タラバガニの足がおすすめです。うまみは花咲ガニよりも少ないので料理には不向きですが、茹でたままや焼いて食べるのであれば満足できます。 味や価格だけでなく、人数や食べる人の年齢に合わせてカニを選ぶと良いかもしれませんね!ワイワイ大勢が集まる場なら、両方買って食べ比べをしてみるのもアリだと思います