殻付きウニ 仕入れ

殻付きウニの魅力

海女さんをモデルにした伝説的な朝ドラによって、殻付きウニのイメージが強く刻まれたという方は多いのではないでしょうか。アニメや漫画に出てくる骨付き肉が憧れの対象となっているように、殻付きウニを食べたいという欲求に駆られている人は少なくないはず。
そんな殻付きウニの名産地である北海道に拠点を置く我々ウオス水産仕入れの元にも、殻付きウニの仕入れの注文が多く寄せられます。

舌の上でとろけるのではなく、舌の方がとろけるような気さえしてくるまろやかな食感と磯の風味を持つウニが、殻付きとなればさらに美味しいのではないか、と。しかし、殻付きウニの仕入れの注文は、多くの場合最終的に塩水ウニを仕入れることに落ち着くことになります。
なぜ仕入れが難しいのか、殻付きウニの代わりにどんなウニの仕入れがされているのか、そしてなぜ北海道産が美味しいのかなど、ウニについてとことんご紹介していきます

アレを食べて美味しく育った北海道のウニ

殻付きウニは青森や岩手、宮城といった東北地方を中心にした有名な産地がいくつかありますが、北海道は全国のウニの仕入れシェアの5割以上を占めているウニの一大名産地になります。カニやタコといった北海道の人気仕入れ食材と同様、ウニについても「北海道のウニじゃないとダメ！」というありがたいお声をいただいております。
理由は第一に美味しさが挙げられますが、北海道の中でもさらに産地ごとにウニの味が大きく変わることも仕入れ人気の高さに繋がっているのです。

中でも日本最北端の利尻で獲れるウニは北海道内で獲れるウニの中でも特に最高級のウニと称されています。ウニが沢山住んでいる海域からは昆布が消えると言われるほどウニは昆布が好きなため、北海道の仕入れで絶大な人気を誇る『利尻昆布』を贅沢に食べているウニが、身をたっぷりと蓄えた極上の殻付きウニとなるのです。一口食べれば、他の魚があのトゲトゲの上からでも殻付きウニを捕食する気持ちが分かります

殻付きウニの弱点

そんな極上殻付きウニの仕入れについて多くのお客様からお声掛けいただく機会がございますが、先にご紹介したように、実際に仕入れるのは殻付きウニの仕入れではなく、別のウニを仕入れることになります。というのも、実は鮮度を保つことは殻付きウニの大きな弱点なのです。

「え、殻で守られているのに？」

と、大きなショックを受けられている方もいらっしゃるかもしれません。本州からの仕入れの注文のみならず、北海道内からの仕入れの注文であっても、お届けまでには殻付きウニの品質はかなり落ちてしまうため本当に良質なウニをご希望される場合、ほとんどは塩水ウニの仕入れをご提案させていただいております。
もう一つ殻付きウニの仕入れで難しい点に、プロの目でも殻を開けるまでは品質を見分けるのが難しい点も挙げられます。質の良い食材をお届けする仕入れという業務においてこの2点は致命的なため、質よりも何よりも殻付きウニが仕入れたいという場合に限り、殻付きウニの仕入れを行っております

殻付きよりも鮮度が保てる塩水ウニ

では、殻付きウニよりも鮮度がしっかりと保てるウニを仕入れたいならどんなウニが良いのかですが、それは箱詰めウニの中でも塩水に浸かっている『塩水ウニ』と呼ばれる商品になります。箱詰めにされたウニの姿はご存知の方も多いかと思いますが、そこに塩水も一緒に入っている箱詰めウニを見たことがある方は少ないのではないでしょうか。
しかし、塩水に浸されているため新鮮さは殻付きウニを仕入れるよりも遥かに高く、適度な濃度の塩水がウニの風味をさらに高めるため、断然殻付きウニよりも良質なウニを堪能できます。

『生』の風味でいえば殻付きウニには敵いませんが、プロの手によって加工された塩水ウニは、ご家庭でも美味しく召し上がっていただけるのはもちろん、飲食店様にも自身をもって仕入れをオススメできる品質となっています。ウニは殻付きのまま仕入れるというイメージを完全に覆してくれるはずです

北海道ではポピュラーな練りウニ

塩水ウニと並び、殻付きウニの代わりに仕入れがされる加工品の中には、練りウニと呼ばれるものがあります。殻付きウニから身を取り出してソース状にし、塩とアルコールで味を整えられているため、もうそれはウニですらないと思われるかもしれませんが、北海道のスーパーなどではこの練りウニが普通に販売されている店舗もあるなど、仕入れの人気は決して低くありません。むしろ練りウニの味にハマってしまい、ご飯のお供はこれが一番という通の方もいるくらいです。

殻付きウニのような新鮮さも野性味もありませんが練りウニには凝縮されたウニの風味があります。なにより、殻付きウニは美味しく楽しく食べられる代わりに一つの食べ方しかできませんが、練りウニはその形状と美味しさによって様々な料理に使うこともできますので、ウニそのものではなく、ウニの味が仕入れたいという飲食店様にとっては必見の品ではないでしょうか